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高島修 円安の構造的メカニズム [講義等]

(2022日)



高島修
シティグループ証券 チーフFXストラテジスト


(1)円高構造から円安構造への転換
(2)国際収支発展段階説とこれからの日本
(3)「高いニッポン」から「安いニッポン」へ
(4)日米の通貨・金融政策と「プラザ2」



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10mTV 高島修 円安の構造的メカニズム


昨年11月15日収録時点で、まず円安の構造要因を説明される。
3つあり、1つは高齢化で国内貯蓄の取り崩しで経常収支が悪化する。
2つめが、企業が出ていき取り残された国の生産性・輸出競争力の低下。
3つめが、グローバル化でアジア諸国が対米輸出基地、工業国として台頭してきたとする。

輸出物価を輸入物価で割った交易条件の悪化で円安になるという。
2022年の円安も、原油高での交易条件の悪化があったと説明する。

国際収支発展段階説での分析によると、日本は第4段階から第5段階となっている。
この発展段階は人口動態も影響しており、日本の生産年齢人口は60年代は圧倒的に高かったが、21世紀となり逆に著しく低くなっている。
中国の人口動態も悪化しておりこれが国際収支の悪化となり日本の第6段階への移行を遅らせる要因になるそうだ。

バブル前後の頃は山手線でアメリカ全土が買えた「高いニッポン」だった。
この頃の1人あたりGDPは日本が高かったが、これは85年のプラザ合意で円高となりドル建ての結果で、土地、株、人の値段が高かった。が、現在は「安いニッポン」となる。

1971年のニクソンショックで金ドル交換停止、インフレとなり、その是正で80年前半のレーガノミックスによる高金利政策でドル高円安となり、それが双子の赤字となる。
そしてインフレの撲滅が見えたのでプラザ合意になったという。






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