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釘貫亨 文明語としての日本語の登場 1-3 (全6話) [講義等]

(2023日)


釘貫亨
名古屋大学名誉教授


(1)古代日本語の復元
(2)文字社会の成立―漢字と発音―
(3)奈良時代の日本語の特徴



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10mtv 釘貫亨 文明語としての日本語の登場


奈良時代には母音が8つあったことに驚く。平安になり5となるが、
名古屋弁は8だという。

どう発音していたかを知るのに唐代の長安での音を知る必要があり、
唐代の漢詩が特別に大きな価値があった。
音韻学があり、比較言語学、音声学とでてくる。

古代では「ハヒフヘホ」が「パピプペポ」だった。
『古事記』で「モ」が使い分けられていることで偽書説が消えたという。

その他、戸籍で文字を書いているのが地方の「郡司」だったことなど、
本来、日本人としての当然の教養なのでしょうが、驚くことばかりでした。





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宮本弘曉 日本の財政政策の効果を評価する 1-3 (全6話) [講義等]

(2023日)


宮本弘曉
一橋大学経済研究所教授


(1)「高齢化」による効果の低下
(2)高齢化が経済に与える影響
(3)高齢化をチャンスに変える方法



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10mtv 宮本弘曉 日本の財政政策の効果を評価する


財政政策の乗数効果は90年代で 1.2~1.3 あったのが、1.1になっているという。
高齢化が財政政策・金融政策の効果を減らすという。

高齢化は先進国で共通の課題だが日本が頭一つ抜けていた。
乗数効果の減退を防ぐには構造改革が必要で、柔軟な高齢者雇用、労働市場が必要。
日本がトップランナーということはピンチでなくチャンスと捉え、
健康増進産業や高齢者雇用を促進するようなロボットやソフトで、輸出できる産業となる可能性があるとのことで、非常に有意義な学びでした。





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対談 | 山内昌之/神藏孝之 徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編 4-5(全5話) [講義等]

(2021日)



山内昌之
東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授

※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


(4)政治家としての評価
(5)徳川斉昭の発想と阿部正弘の現実感覚



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10mtv 対談 | 山内昌之/神藏孝之 徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編


阿部正弘が八方美人のように気に入られていたが郷原という訳ではなかったという。
斉昭を用いたのは将軍継嗣問題からなのか、昭和陸軍の本土決戦思考の現実政治にそぐわない人間を幕閣に入れる。

が今日、斉昭や松陰の発想を是として山形太華や井伊直弼の評価を最初から定めているという。

尊王攘夷が倒幕・反幕になったことも含め、阿部正弘の功罪を考える刺激的な講義でした。




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曽根泰教 モノづくりは、モノをつくることか [講義等]

(2016日)


曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長


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10mtv 曽根泰教 モノづくりは、モノをつくることか


ナイキやGAFAを例に、モノづくりとは何かを考える。
イノベーションを「技術革新」と理解するのは一面だった。
ビジネスモデルの新規性と競争力が問われる。
短いながらも良い刺激を頂いた講義でした。





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山添博史 歴史から考える「ロシアの戦略」 5-7 (全7話) [講義等]

(2024日)


山添博史
防衛研究所 地域研究部 米欧ロシア研究室長

※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


(5)冷戦の時代とソ連解体
(6)プーチンのロシア
(7)今後のロシアと国際社会


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10mtv 山添博史 歴史から考える「ロシアの戦略」


2005年の大統領教書演説では、「ロシアは自由になじまない」という意見には反対し、あくまでナチスドイツと戦った英米仏と協調するとし、民主的発展、近代的発展の道だとする。が、ソ連の解体でロシア以外の国にいるロシア系住民が不当に扱われていることが問題であるとしたようだ。
2008年にジョージアで実力行使をした方がいいという経験をし2014年も経験する。
が、ウクライナ全体を敵にし選択肢を狭め2022年となる。
当初はキエフを簡単に占領するつもりだった誤算があったものの
戦闘が止まると2022年のはじめと比べる冷静な思考が生まれることへの恐れと、
北朝鮮への国連安保理決議の軽視、ベラルーシへの核配備などの規範違反を重ねたことから、今後も規範意識の低い行動が続くと考えられる。
ロシアが自信を持って成長し認められるような段階になり、指導者の交代を経た長期の熟考を必要とするという悲観的な見方しか残されていないようだ。




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対談 | 山内昌之/神藏孝之 徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編 1-3(全5話) [講義等]

(2021日)



山内昌之
東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授

※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)


(1)若き老中首座・阿部正弘の使命
(2)狂者と狷者
(3)「中庸」と似て非なる「郷原」




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10mtv 対談 | 山内昌之/神藏孝之 徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編


水野忠邦、阿部正弘、井伊直弼を連続的に捉えるという歴史の見方を知る。
水野と井伊の印象が悪いので阿部が良く見えることを抑えておく。

阿部は安定した権力基盤の下で老中になったのではなく、水野、土井を経て、
政治を安定化させる使命で出てきた人だった。

人間類型で、中庸、狂者、狷者、郷原を知る。
孔子や孟子の「郷原」の評価、中庸(中行)と郷原の違い。

幕府組織の慣行も含め、今回は実に学ぶこと多かつ面白い講義でした。




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養田功一郎 歴史的転換点における影の主役「インフレ」 [講義等]

(2024日)



養田功一郎
三井住友DSアセットマネジメント株式会社 執行役員


(1)現代と幕末の共通点
(2)幕末のインフレと1900年代前半
(3)「韻を踏む」歴史に学ぶ



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10mtv 養田功一郎 歴史的転換点における影の主役「インフレ」


今回は、グラフを眺め続け講義を聞くというスタイルとなりました。
何度も止め文章を確認するという連続で1時間超かけた私にとっては大変な講義でした。
おかげさまで、幕末、1900年代前半、2000年前半を、
安全保障の脅威、震災、疫病・パンデミック、財政・金融政策、対外債権・外貨準備、
インフレと各観点から学ぶことができました。
歴史は繰り返さないが韻を踏む、というフレーズが印象に残りました。
大変、密度ある有意義な講義でした。









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山添博史 歴史から考える「ロシアの戦略」 1-4 (全7話) [講義等]

(2024日)


山添博史
防衛研究所 地域研究部 米欧ロシア研究室長

※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


(1)ロシアの基本戦略と行動
(2)19世紀のロシア
(3)ロシアの領土拡張と「2つの願望」
(4)ソ連の極東戦略と戦後の米ソ対立


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10mtv 山添博史 歴史から考える「ロシアの戦略」


ロシアは弱いと看做すと叩くことにするが、日露戦争のように失敗することもある。
が、現代でもウクライナに対して行ったが、許容すれば次も許すことになる。
日本の姿勢も問われているという。

ロシアの拡張主義と見えるものは、主観的にはナチスドイツからの防衛のためだったり、
かつての領土の回復だった。

核兵器を保有するアメリカとの大戦争はできないが、相手の有利を拡大させてはならず、軍備拡張戦争は真剣にするという。

ロシアは鋼の意思で戦略的に動く国であり、楽観的に考えてはいけないとつくづく感じました。続きが恐ろしそうです。




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曽根泰教 多数派が多数でなくなるとき [講義等]

(2023日)


曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長




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10mtv 曽根泰教 多数派が多数でなくなるとき


多数派でも決められないことがあるという。
自公連立で作っている法案が全て可決されるわけではないという。
イギリス・日本では8割だそうだ。

解散にはパワーが必要とのこと、総務会決定で党議拘束となるそうだ。
英米での院内幹事というのは、ムチとのことだった。
1話の短い講義でしたが、再確認することが多く、非常に有意義でした。


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関幸彦 平安時代の歴史~「貴族道」と現代 7-9 (全9話) [講義等]

(2023日)



関幸彦
日本大学文理学部史学科教授


(7)律令国家と王朝国家の違い
(8)平安王朝における「貴族道」
(9)「貴族道」の「貴族道」たる所以



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10mtv 関幸彦 平安時代の歴史~「貴族道」と現代


律令時代から王朝時代となるが、摂関政治の段階になると請負が原理となり各家柄が相応に職能を分担する。大きくは公家、武家、寺社家で各々に各家がある。
これは理想から結果オーライ主義への移行でもあった。

三位以上が貴族で中央政治、四位五位は通貴で地方だという。
武士道が武力を是とするが、貴族道は逆境にあっても決してめげない粘り強さで解決の道を探るが、これは劣勢になればすぐに腹を切る武士道と対極にある。

貴族道は左道を嫌い、会議では下から意見を言わせ、議長が全体を忖度して決め、天皇に上げるという。この忖度主義は他を傷つけない思いやりでもあった。

が、1つの組織の中に異物を混入させないとその組織は失敗に終わる。
摂関政治も道長の子孫での独占としたことで、そこから院政となる。

「貴族道」から当時を理解しようとする講義は刺激的で面白い学びでした。





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