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井上 [人生・幸福]

明治期、法制官僚、井上毅という人は、ストイックな印象があるのですが、
縁戚ではないようですが、井上馨は豪快ですね。

馨は権力を使い、民間人の財産を没収し私物化した尾去沢銅山事件で、
大蔵大輔を辞職しながらも、
伊藤より請われ復帰し、外務卿、外務大臣、大蔵大臣等、歴任する。

法制度を整えるに際して、憲法を先に作れば、議会を通さなければ
ならないから、その前に、民法をはじめとする法律や条約改正を
やっちゃえという話となる。

明治20年、その条約改正の担当者として、外務大臣になった井上馨の案は、
・治外法権を撤廃する変わりに裁判官に外国人を起用。暫定15年間。
・日本の諸法律案を8ヶ月前までに諸外国にチェックしてもらう。
だったようだ。
その内容に義憤を感じた内閣の法律顧問のボアソナードが、
井上毀に伝え、毀は条約案を告発し、反政府運動に通じ、
上司である伊藤とも緊張関係に入る。その直前に憲法草案を伊藤に提出しながら、
伊藤の悪友井上馨を辞任へと追い込む。

その伊藤と井上毀の対立がありながらも、立憲主義の立場を概ね共有し、
天皇神権政治を望む者を牽制しながら、また、上司である伊藤の
大隈や後藤象二郎らと政治的な妥協したと思われる議会の権限に関する
事項など、変遷を受け入れつつ、対立と一定の信頼関係を維持し、
明治の土台を事務方で支えた彼こそ、尊敬せずにいられましょうか、ですね。


明治憲法の真実

明治憲法の真実

  • 作者: 伊藤哲夫
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2013/07/20
  • メディア: 単行本



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