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井上正也 福田赳夫と日本の戦後政治 7-9 (全9話) [講義等]

(2023日)


井上正也
慶應義塾大学法学部教授


(7)田中政権から三木政権へ
(8)福田政権「3つの功績」
(9)ぶれない政治家と自民党での役割


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10mtv 井上正也 福田赳夫と日本の戦後政治


田中は首相になるや直ぐに日中国交正常化に踏み切る。三木を取り込むために公約にしていたという。福田は日ソ関係を見据えて慎重な立場だった。
北京側は急いており条件面では中国側が非常に譲歩したので結果的に田中は成功するも、本来の外交論としては福田の考え方が王道だったそうだ。

列島改造論でインフレになり73年の石油ショックで加速する。
72年12月で田中は入閣を求め、福田は行政管理庁長官、翌年に大蔵大臣となり、
引き締め政策を行い成功する。

三木政権でもはじめは協力するも、三木おろしに加担したことが、
次の自分の政権の支持率の伸び悩みになったという。
外交面では、ソ連との領土交渉を考えていたが、日中平和条約に切り替える。
また国際協調を重視し「臨時異例」の経済運営で7%成長を目指した。
「福田ドクトリン」で対等な協力者として細かい指図することのないアジア諸国と「心と心のふれあい」で歓迎されたそうだ。

戦時中、大平は阿片取引を見てきて贖罪意識が強かったが、福田はマクロな視点で財政をみていたという。
田中派に勝てない面はあるも理念を大事にし羅針盤的な役割を果たしたという。
僅か全9話の時間でしたが、密度ある学びでした。



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