SSブログ

万引き家族 [映画]

(2018日)

万引き、車上荒らしなど不愉快であり、下品ではありましたが、
実際の廃屋を使って撮影し、貧困のリアリティーを追求しながら、
他人同士の繋がりを描く脚本と、俳優陣の演技に、
作品としては見応えがあり、この家族の視点で描かれたことに感嘆せざるを得ません。

「万引きを肯定する作品」と批判するのは容易い。
社会主義が否定された以上、富の不均衡からくる必然である現象なので、
犯罪者への取締り強化と厳罰化で結論づけ作品を批判するのは愚か。

『レ・ミゼラブル』で盗んだ主人公を赦した神父のように、
駄菓子屋店主の柄本明が許して与えようとするシーン。

法的には罪であっても、店が潰れなければ盗んでいいとする倫理など、
見るに耐えられない人がいるのも止むを得ない作品で、
炎上を招くことを承知の上での大成功だったのでしょう。










コメント(0)