SSブログ

なつぞら (91)~(93)「なつよ、恋の季節が来た」

(2019日)

昭和34年(1959)、坂場は『ヘンゼルとグレーテル』の監督となったが、
大幅に改変したストーリーの確認で上から呼び出された。


natsu1.jpg

社会風刺が入っていないか確認され、
純粋に子どもが楽しめるものにしてほしい、とのことだった。

が、坂場は、

「その考え方が古い」
「漫画映画は子どもが見るものと決めつける考え方です」
「今後は大人のためにも作るべきだ」

と自論を述べた。



natsu2.jpg

しかし、仲は、

「僕はそう思わない」
「あくまで、子どものために」

と主張、先輩の言うこと聞けよ、という態度はとらなかった。


坂場は、さらに食らいついた。

「大人になって再度見ても面白いか」

と問うた。

仲、「その感性は残っている」ものだと悟っていた。


普通の後輩なら収めていただろうが、坂場はさらに言った。

「おもちゃとしての夢なら」

仲は、作品が大人も対象としていたとしても、

「子どもが見て純粋に楽しめるものでなければならない」

話を終わらせた。

井戸原は、「でなければ君は失格だ」


かなり険悪なやり取りだった。


これを宗教ネタで譬えようと思いましたが、
ポリティカルコレクトネスにより、自粛することにしました。




natsu3.jpg
NHKオンデマンド なつぞら (91)~(93)「なつよ、恋の季節が来た」


その後、下山から話を聞いたなつは、坂場を詰めようとした。

が、空襲と人の冷たさや、思いもかけぬ人からの優しさを経験したことを語り、

「仲さんたちと違うものを作るのは僕たちの使命」

と坂場は語る。


「世界の表も裏も描けるような現実を超えた現実を見せられる
それを丸ごと子どもたちに体験させることのできるようなアニメーター」

「僕もそういう演出家になりたいと思っています」

と高畑勲は誰かに語ったことがあるのでしょう。


そして、坂場は言った。

「一生をかけても、あなたと作りたいんです。」


解釈が複数ある言い方だった。



人気ブログランキング
コメント(0)